back
NECC2001日本代表プレゼンター体験記
兵庫県立阪神養護学校 明崎潤子

 私は、今回初めてNECCの大会に参加し、日本の教育現場だけでは得られない多くのことを学ぶことができました。運良く最優秀賞に選ばれたものの、実際の「試練」はここからで、日本代表として発表する大変さを思い知るのでした。

英語にすることで、曖昧さがクリアに
 NECAの代表の方々との打ち合わせで、実践内容を絞ってく作業は、実践のエッセンスだけになるまで脂肪分をそぎおとしていくようなものでした。さらにそれを今度は英語に直す作業が待っていました。英語にする過程で、「これは誰が?」「誰に?」「何を意味しているの?」と日本語ではほとんど「ニュアンス」として伝わっていたものが全く伝わらず、曖昧さをクリアにしていく作業が大変でした。また、英語圏の人の発想で書き換えるという作業も初めてのことでした。しかし、この作業をしたおかげで、自分の実践の本質が何であったのか、何が大切なことなのかを改めて自分自身が知ることができたように思います。

直前のプレッシャーは練習でカバー
 出発1ヶ月前の東京での練習は、さすがに緊張感がありましたが、英語の指導をしてくださった天野先生とのやりとりはとても楽しく、「後のこり1ヶ月でうまくなってやるぞっ!」と気合いが入りました。実際、それ以降の一ヶ月は、毎日学校への行き帰りの電車の中で先生の発音をMDで聞いたり、自分の書いた英語の原稿を授業の空き時間に河原にでて大声で練習したりの毎日でした。
6月24日、シカゴに到着してからは、ある意味もう開き直っていて、ここまできたから後はやるだけという気分でしたが、果たしてアメリカの先生方がどのくらい興味を持って見に来てくれるかな?と心配していました。

楽しかった本番
 しかし、関西人は舞台に上がると強い!のかもしれません。第一声で、アメリカの先生たちの笑いがとれたのを見て取るとその後は自分でもアメリカ人になりきってプレゼンを楽しんでいました。
私の実践研究の中身は、障害を持った高校生と健常の高校生が、バーチャルチャット空間で、お互いの良さを対等に認め合いながら交流を深め、最後には出会って、地域でも共に生活していく環境を作っていこうというものでした。  
このテーマ自体、アメリカでは、インクルージョンが当たり前ですから、「どうして日本は別々なの?」という疑問で終わってしまうのではないかと思っていました。しかし、発表が終わった後近づいて話しかけてくださったアメリカ人の先生によると「アメリカでも、お互いの『心の距離』を取り除くのは結構難しいのよ、だからあなたの研究はすばらしいのよ」といっていただいたことがとてもうれしかったです。
今回このような大切な体験をさせていただいて本当にありがとうございました。私たちの発表を支えてくださったスタッフの方々に心からお礼を申し上げます。

明崎先生の近況 by 事務局
文部科学省主催「インターネット活用教育実践コンクール」で最終審査まで進出!目指すは、内閣総理大臣賞?文部科学大臣賞?ここまでくれば何かもらえる!?

Copyright(c)2000〜2003Nippon Educational Computing Association(NECA) Allrights reserved.